インタビュー

2021/11/2 16:12

【代表インタビュー②】価値ある企業に環境変化を楽しんで欲しい

前回のインタビューでは創業の経緯や、代表園田の経歴、会社の今後についてお伝えしてきました。今回はその創業の経緯の中で「素晴らしいクライアント」と話が出ていた、教育業界の中堅企業様との出会いや、具体的なプロジェクトの進め方について代表園田にインタビューをしてきました。

Rally Growthの指す「価値ある企業」とはどんな企業なのか、それらの企業に環境変化を楽しんで欲しいと思うきっかけになったことは何か、インタビューで深掘りしています。Rally Growthでの働き方や、目指す世界について興味のある方はぜひご覧ください!

1.価値ある企業との出会い「もったいない」

ー素晴らしいクライアントと話が出ていた企業様との出会いについて教えてください

伝統ある中堅規模の教育教材メーカーのK社様と初めてお会いしたのは昨年2020年の7月。K社様の会議室で取締役の方と執行役員の方とお話し、課題や依頼内容のヒアリングを行いました。

約1時間お話を聞き、様々な課題を引き出していく中、私の心を覆っていったのは「もったいない」という感情でした。なぜなら、K社様の抱えられていた課題は解像度を上げて整理し、しっかり取り組めば解決できる課題だと感じたからです。課題が解消されず、K社様が真の力を発揮できていない状況を見ながら「腕の見せどころだ」と感じていました

K社様は創業から90年以上の極めて深い歴史を持つ企業様です。長年日本の教育業界の発展に貢献されてきました。今も教育業界に教材や校務支援の面で大きなインパクトを残されていますが、徐々に外部環境が変化するに伴いキャッチアップできなくなる面が増え、特に流通子会社様の経営状況に課題を感じるようになっていました。

流通領域は様々な業種のプロジェクト経験があるため、お話を聞きながら十分に解決できると思いますとお伝えし、自分自身の経歴も話したところ、とにかくお二人と気が合ったこともあり、当日中に依頼確定の連絡をいただきました。

と、このように書くと新規案件の受注がスムーズに進んだ例のように見えますが、その裏は実は困難の連続でした。ちょっと横道にそれますが、私自身がどのようにK社様のお仕事を引き受けるようになったか、というプロセスもお話したいと思います。

2.偶然の出会いを楽しむ「案件0からの挑戦」

ーもともとは案件0、無収入からのスタートだったそうですね

はい、そうなんです。K社様の案件が決まったのが2020年7月下旬でしたが、その案件が決まるまでの約1ヶ月間は不安との闘いでした。

実はその時点では、大学院の仲間と教育ビジネスで事業会社を立ち上げようと皆で決意を固めていました。起業する際に足元の収益を稼げるようにフリーランスとして活動を始めたタイミングだったのです。

2020年6月末で大手コンサルティングファームを退職しましたが、退職する前にフリーランスとしてどのように稼いでいくのかは綿密に調べており、案件を紹介してくれるエージェントとアプローチを進めていました。事前に面接などにも行き、退職後はすぐにフリーランスとして活動する準備を整えていましたが、いざ退職の時期が来ても案件は決まらず、いわゆる無職&無収入の状況になってしまったのです。

妻は働いていますが、子供も2人おり、家庭の経済面は全て私が面倒をみる形になっていたので、それは崩したくないと思っていました。2~3ヶ月は無収入でもなんとかなる貯蓄はありましたが、案件が決まってすぐにお金が入るわけでもないので、案件が決まらない状況は焦りしかなく、ただ待つだけの時間がものすごく長く感じました。

案件が入りそうで入らない時の気持ちの浮き沈みも、不安に拍車をかけました。K社様の案件が決まる少し前、7月の2週目に大手の不動産デベロッパー様の案件で面接が入りました。オンラインの面接では非常に良い雰囲気で終わったため、なんとか決まるかな、いや単価も良いのでどうにか決まって欲しい、と思っていましたが、数日後に別の人で決まったと連絡が入り落ち込みましたね(苦笑)

ーそれは結構痺れますね。その後はどうなったのですか?

先の見えない環境だったのでいよいよ焦り出し、念のため並行して転職活動も始めていました。もしかしたら単価を落とさないと案件は受注できないのかもしれないなど、少し弱気なことも考え始めた時に、伝統ある中堅規模の教育教材メーカーのK社様からの面接依頼が入ったという感じです。

先ほど当日中に依頼確定の連絡をいただけたとお伝えしましたが、実はとにかく嬉しかったです(笑)。単価も落とさずに、それなりの価格で契約できたこともあり、安売りせずに、ここまで耐えた甲斐があったと感じていました。

また、教育業界というのは大学院の仲間と作ったビジネスプランの顧客層と全く同じセグメントであったため、自分が目指すカテゴリとのシナジーも利き、良いことずくめでした。
(結果としてその大学院の仲間と作ろうとしていた教育ビジネスは紆余曲折あり見送りになったのですが)

畑違いの教育業界ではありますが個人的に強い興味を持っており、また依頼内容は流通子会社の経営改善であったので、得意領域でもありました。(ロジスティクス領域は様々な業種のプロジェクト経験があります)

こうして気持ち新たに、教育教材メーカー流通子会社の経営改善プロジェクトに携わる形でフリーランスコンサルタントとしての活動を始めました。辛い時期もありましたが、楽しんでやっていこうと心をずっと前向きに持っていたことで壁を乗り越えられたと思っています。

3.始まった流通子会社の経営改善プロジェクト「実行されなくては意味がない」

Rally Growth 園田真之介

ー実際に経営改善プロジェクトに関わり始めてからの様子を教えてください

はじめは手探り状態でした。K社様において大きな課題の方向性は明確でありましたが、経営層が感じる課題は様々な中小課題の積み重ねであり、それを分解し具体的に可視化して、各課題に対する施策に落とし込んでいかないと効果は出ないと考えていました。

まずは週に一度、現場メンバーの方とのミーティングに参加し、一次情報をもとに課題の深堀りを行っていきました。また同時に、ボトムアップ式で現場の方が肌で感じている課題(定性的な観点)とKPIなどの定量的な分析を交えながら、様々な観点で課題を炙り出していきました。

現場ミーティングと並行して週に一度、取締役と執行役のお二人とミーティングを持ち、進捗報告とディスカッションを行っています。過度に丁寧にまとめる報告書のような形ではなく、多少ラフでも現場の方からの声をしっかり届けられ、かつディスカッションがしやすいアウトプットにまとめ、経営層のお二人と一緒に状況を整理していく感じです。

これはコンサルティングする側から一方的な課題と提案の押し付けになると、受け取った側の腹落ちがしにくと思っているからです。状況を整理した上で伝えることはしますが、むしろそのアウトプットを見て、何らか経営観点で引っ掛かる部分を経営層から引き出していく過程の方を重視していました。

ーなるほど。一般的なコンサルタントのイメージは「これがベストです」と固めて持っていくイメージでしたが、ちょっと違うのですね

そうですね、ヒアリングして課題箇所を特定してから「解決策はこれです」と示すTheコンサル的な動きをすることもできますが、戦略や施策アイディアを大上段から押し付けても実行フェーズでうまくいかなくなることが多いと感じています。そういうケースでは、現場の手触り感や実効性に乏しいアイディアになりがちになることや、経営層の皆さんにとって腹落ちがしにくい施策になっていることも影響していると思います。

ですのでK社様のケースでは、現場観点での課題を経営層の皆さんに伝わり易い形で伝える「橋渡し」のような役割を担うことがベストかなと考え、そのような形にしたところ、経営課題はより具体的に深堀り・可視化されていきました。あるタイミングになると社長にも報告を行い、社長の意見も踏まえた上で課題は整理されていきました。

ーかなり社内に入り込んでいく感じなんですね

まさに自分自身の役割はK社様社内での交通整理だと思っていました。経営課題や現場の課題、定量的な課題など、皆がそれぞれ思っているけど全社で統一見解されていない課題を可視化し、全員が同じ捉え方をするようにしていくイメージです。

一見簡単なように思えますが、それぞれのステークホルダーが持つ観点が何かを理解しなければならないですし、それぞれが理解できるアウトプットを作成し、それをもとに説明するスキルが必要になるため、決して簡単ではありません。あえて外部の人間が入ることで、K社様の現場からも経営層からも忌憚のない意見を引き出せるようになることにも、K社様からはバリューを感じていただいていたようです。

ーその後プロジェクトはどんなプロセスをたどるのですか?

最終的に、7月下旬からアサインされて2月末まで本プロジェクトに携わる事になりました。具体的な課題や施策をここでお伝えする事はできませんが、施策としては大きく3つ掲げています。

短期・中期・長期でそれらを分け、直近での活動は中期施策を見据えた上で短期施策に取り組む事になりました。このような企画がなされた上で、実行フェーズに入っていくと、また様々な課題が起き、計画通りには進まなくなっていきます。ただこれは当たり前の話であって、いくつかの壁があったとて諦める必要はありません。つねに計画をアジャストしていけば今までの経験から必ず良い形で着地すると思っています。

また、そういった具体的な壁や課題が浮き彫りになってくるということはさらに深堀りされた本質課題が浮き彫りになっている証拠でもあるのかなと。ゴールを見据えながら大きなマイルストーンをずらさず、改善活動を続けていくことがとても大事だと思っています。

ー計画をアジャストし続けるということは、かなり実行フェーズまでハンズオンの支援を想定しているということですか?

まさしくその通りです。この実行フェーズこそが企業にとって企画したものを絵に描いた餅で終わらせないために重要かつ、難しい取り組みになります。しっかり伴走しながらサポートするということが大事です。とはいえ常駐する程頻度を高くすることは想定しておらず、どちらかというと先方の現場の方に動き方や仕切りの方法をお伝えさせていただき、ポイントポイントでフォローしながら伴走していくイメージになります。

これは企業様をご支援していて思うことですが、改善の実行フェーズが難しいのは、やはり現場の皆さんにとって部署ごとに目標が異なり、目線が揃いにくいからだと思っています。思惑も異なるので、何かを一緒に進めようとしても「やる(1)」or「やらない(0)」の発想になりがちです。個人的にはそこの解消が腕の見せどころかなと思っています。

1or0という発想ではなく、もうすこしマス目を大きく広げて100or0くらいのレンジで捉えても良いのではないかと思っています。多分それくらい広げると、「みんな0の方向ではなく、本当は80~90くらいのところは目指した方が良いと思っている」など各部署の目線が合いやすくなります。

そうして目線が合いさえすればみんなの意思で企画は進められると思っていまして、95は十分に狙えると考えています。ですから、そこの目線を合わせて、組織間の摩擦をなくしていく役割をうまく自分が担えることが重要になると思って取り組んでいます。

4.新規デジタル教材プロジェクト「やりがいのある仕事との出会い」

ー経営改善プロジェクトは最終的にどうなったのでしょうか

流通子会社の経営改善プロジェクトは2月末で無事に終了し、狙った成果を出すことができました。プロセスを含めて評価いただいたこともあり、継続して他の領域も見て欲しいというお話があったため、3月からは同じくK社様で新規事業プロジェクトに携わることになりました。GIGAスクール構想という国の施策をご存知でしょうか。国の予算で日本の公立学校全てにデジタル端末を配り、デジタル学習に役立てようという施策です。こちらの施策に関わるデジタル教材の開発プロジェクトに参画することになりました。

もともと大学院で教育ビジネスを企画していましたし、ぜひトライしたいと思う案件でした。実は個人的に、日本の学習ポテンシャルは高いのに、教育のデジタル化が遅れておりデジタル化の潮流に逆行していることに大きな課題を感じていたのです。

具体的にはOECDが進めているPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる国際的な学習到達度に関する調査を見てみると、日本の学習ポテンシャルは参加国79ヵ国中上位ランクに入っているにも関わらず、教育デジタル化の調査結果ではランキング下位に位置しており、さらに、世界で日本だけがデジタル化の潮流に逆行しているという調査結果も出ています。

教育ビジネスを企画する過程で様々なことを調査し、自ら2020年夏には大学院のイベントで”未来の日本教育を考える〜教育産業のデジタル化〜”というテーマで話した事もあります。それくらい興味を持っていたテーマだったので、公立小学校向け教材メーカーのデジタル教材戦略は個人的に大きなやりがいをもって取り組めました。

ー教育という分野に大きなやりがいを感じたのですね。その背景には何かあるのでしょうか?

子どもたちの学びを止めないで加速させたいという想いです。ようやく終息の芽も出つつありますが、COVID-19という大きな環境変化があり、子どもたちの学びの機会は大きく制限されてしまいました。自分にも子どもがいるので、その難しさを身近に感じていました。

その問題の根幹には教育産業のデジタル化の遅さや、デジタル化に親和性の薄い産業構造があるため、改革が頓挫していることが挙げられます。GIGAスクール構想自体も似たような政策は10年、20年の中で何度か打ち出されていましたが、結局達成されていません。

このパンデミックという大きな環境変化が訪れたことで、腰の重い教育業界も動かざるを得ない状況になったことは、子どもたちの学びの機会を取り戻すチャンスです。今このタイミングでプロジェクトが進まないと、デジタルでできる教育が公立教育の中では全く成す事ができず、子どもたちの学びは止まってしまいます。「こんなことがあって良いのだろうか?いや絶対にダメだ」と強い危機感を抱いていました。

このような大きな環境変化の中、K社様は新たに新規デジタル教材への投資を決断し、プロジェクトは戦略策定フェーズから進行する事になっていきます。

5.新規事業としてのデジタル教材プロジェクト

ーデジタル教材プロジェクトは具体的にどのように進んでいったのでしょうか?

まずは新規事業戦略の立案から始まりました。私自身が業界リサーチを行い、環境を分析し、戦略立案を行うパターンもありますが、今回はK社様にもとから練っていた戦略があったので、それをベースに検討していきました。

K社様の戦略は環境を踏まえよく練られていたものでした。しかし何かが足りない、という思いが経営層にある状況でもありました。そこで私は、執行役員とマンツーマンで壁打ちをしながら、少しずつ戦略の解像度を上げていき、根拠が必要な部分は根拠を集めていきました。

パッションある執行役員との壁打ちはとても楽しかったです。この世界を実現させたいと本気で思っているのでモチベーションは上がりますし、また業界のイノベーターとなるため、大きなビジネスチャンスにもなると感じていました。

最終的にK社様が思い描く戦略を整理し、一つのドキュメントとしてまとめ上げていきました。これをもとに経営承認を取り、プロジェクトが発足されていきます。

ー熱い想いのこもったプロジェクトですね!

そうですね、私もかなり前のめりになりました。大手コンサルティングファームで大企業を相手に仕事をしていた時にはなかなか持てなかった熱量をもって仕事をしていましたね。

ただプロジェクト自体は簡単ではなく、事業としてはデジタル教材というプロダクト販売となるため、いかに良いプロダクトを作れるかが重要です。プロダクト自体は既存のノウハウがありますが、それをうまく活用して開発ができるベンダーは探さなくてはいけない状況でした。

本来であれば、我々の戦略や企画を理解した上で具体的なプロダクトを構築できるベンダー選定を行うところですが、時間が限られていることと既存ノウハウの絡みがあり、選定プロセスを省いてベンダーは決めました。ベンダーも決まったのでいよいよモノ作りのフェーズに入っていきます。

ープロジェクトも佳境にはいっていきますね

モノが命ですからね。まずは既存ノウハウをうまく活用するための調査フェーズを設けた後に要件定義を実施し、最高のデジタル教材プロダクトの定義が始まりました。プロダクトデザインや開発を行うベンダーの観点や、公立小学校向けの教材のあるべき姿を考えるビジネスメンバー、既存システムを熟知した開発メンバーなど、様々な面々を巻き込んで一つのプロダクトとして要件をまとめていきます。デジタル教材企画は少しずつ少しずつ形になり、プロダクトの形が見えてくるプロセスに関わっている間、本当にワクワクしていました。

要件定義が終わり、作り込むための設計に入ると、プロダクト開発以外のチームも動き出します。
・どのようなプロモーションで顧客にプロダクトの良さを届けるのか?
・誰にメインに届けるのか?
・どのように売るのか?
・これまでと異なる教材を売り出す際の問題点は?
・売り出した後の売上、コストを考慮した時に投資額は見合うのか?

などなど、プロジェクト進行中には次々に疑問が生まれ、タスクとして解決し、時には課題として捉えて議論を行っていきます。ここでも初期の企画は、そのままで進行する事は絶対にありません。進めば進むほどビジネスの形は具体的に姿を表し、思いもよらない課題が発覚し、その都度、解決して進んでいきます。

ーまさに新規事業開発ですね

そうですね、その待望の1stプロダクトは2022年5月にリリースされる予定です。その後、数回に渡る投資と開発を行い、計画上では3年間でそれなりのプロダクトとなり、市場に認知される計画をしています。リリース後にはリアルなユーザ(子どもたち)の声を聞くことができ、それをプロダクト開発に反映させることができます。子どもたちのリアルな声が反映され、それが継続されていった時、デジタル教材としてさらに素晴らしいプロダクトが世に生まれることになると確信しています。

教育は全てのベースとなるものであることに鑑みると、日本の教育デジタル化は大きな社会課題だと感じています。今の子どもたちが大人になって戦う市場は間違いなく現代よりも厳しい市場になるため、学びを止めずにしっかり力をつけられる環境が必要です。

彼らが、大人になり社会で活躍する際に日本の誰にでも行き渡る教育が役に立つ世界となる事を目標に、私は本プロジェクトを支援していきたいと思いますし、教育に限らず本当に社会のためになることをしている「価値ある企業」が環境変化を楽しめるように、これからもサポートを続けていきたいと考えています。

関連リンク

【代表インタビュー①】起こるべくして起こる環境変化を楽しめる世界に
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【代表×社員対談】(前編)未経験でもRally Growthでコンサルとして成長できるワケ
https://rallygrowth.co.jp/posts/9_WHhZHb

【代表×社員対談】(後編)未経験でもRally Growthでコンサルとして成長できるワケ
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