インタビュー

2026/3/18 00:57

入社から2年半 “コンサル未経験”からの歩みと現在地 木下幹尋さん

コンサルとして基礎を固めた2つのプロジェクト

――まず、入社から現在までに参画してきたプロジェクトについて教えてください。

木下:2023年の夏に物流会社から転職し、7案件に参画させていただきました。数か月程度の短期から2年弱の長期まで期間に幅はありますが、具体的な内容は、

  • 倉庫管理システム(WMS)の導入支援

  • 倉庫内の自動化機器(ロボット、マテハン*)の導入支援

  • システム導入後の運用や意識など、人的変革の支援(チェンジマネジメント)

など、倉庫で使用するシステムなど物流絡みの案件がほとんどです。

*マテハン:自動倉庫やソーター、自動搬送機など倉庫内の作業を自動で行う機器の総称

――特に印象に残ってるものはありますか。

木下:最初に参画したWMS導入のプロジェクト(表内⑤)ですね。医療系商社のエム・シーヘルスケア様の案件で、現状分析から要件定義、WMSを提供するベンダーさんの選定までサポートさせていただきました。入社して初めての案件だったので、ドキュメンテーション力やプロジェクト推進力など、コンサルとしての基礎を磨きながら、WMSの導入プロセスを学んでいきました。

エム・シー・ヘルスケアホールディングス株式会社
新物流システム構想策定 ご支援後インタビュー

――ドキュメンテーションとはどのようなことをするのですか。

木下:まずはWMSを導入する上で必要な情報を集めて整理し、「お客さまのシステム構成がどのようになっているか」「業務がどのような流れで進んでいるか」といった資料を作っていきます。

必要な情報は、お客さまとのオンラインミーティングでヒアリングすることもあれば、物流倉庫にお邪魔して現場を見たり、現場の方と直にお話しさせていただいたりして集めることもあります。そこで得た一次情報を整理してドキュメントを作っていくという流れです。

――それが初めての案件ということですが、プロジェクトを通じてどのような学びを得られたと感じていますか。

木下:大きく分けると、「ドキュメンテーション力」「システム導入の進め方の理解」「考えて動く力」の3点です。システム導入についての基礎知識は事前に学んでいましたが、座学だけではなく、案件を通じて開発と導入の流れを経験できたのは大きかったです。

さらに、いろいろな人の意見を集約した上で、「どのような伝え方をすればお客さまにとって分かりやすいか」「どのような意図で資料を作ればお客さまのネクストアクションを生み出しやすいか」などを考えて動く力がつきました。

――他のプロジェクトについても教えてください。

木下:次に参画したのが通販会社様の案件でした。先ほどの1件目はWMSを新規導入するプロジェクトでしたが、このプロジェクトは既存のWMSの刷新が必要かどうか、刷新するなら既存ベンダーさんを継続するか、それとも他のベンダーさんに置き換えるかという判断のご支援でした。そのお客さまはマテハンもすでに導入されていたので、WMSを刷新するのであれば、それらをどのようにつなげるかというイシューもありました。

――最初のプロジェクトとは少し内容が異なるのですね。

木下:とはいえ、WMSの検討に関しては最初の案件と流れはほぼ同じです。ただ、今回はマテハンという要素があるので、WMSのベンダーさんだけでなく、マテハンのベンダーさんとの調整も必要でした。そもそもスケジュール感がマッチするのか、マッチさせるためにベンダーさん側に人手を出していただけるのか、複数のベンダーさんの条件を比較して議論を重ねていった点が最初の案件との違いですね。

――そのプロジェクトではどのような成長がありましたか。

木下:同じような案件を2つ経験したことで、システム導入の流れの解像度が一気に上がりました。両案件とも、現状分析から要件定義、ベンダー選定まで担当したのですが、最初のプロジェクトではフローの理解がまだ“点”という感覚でしたが、2件目を経験してそれが“線”になったという感覚です。

具体的には、自分の作成した業務フローや必要機能一覧がベンダーさんへのRFP*に使用されたり、作成に携わったTo-Be像に対してそれを実現できるかという観点でシステム選定を行う中で、「作成したものが、どこでどのように使われるのか」理解できるようになりました。自身のタスクの先にあるマイルストーンが理解できたことで、そのタスクの目的や、アウトプットに必要な要素の解像度が上がっていったと思います。

*RFP=Request for Proposal(提案依頼書)

――他にも成長を感じたエピソードがあれば教えてください。

木下:必要な資料を能動的に作れるようになったことですね。最初の案件では上長の指示のもとで作ることが多かったのですが、2件目では「次にこういうことが必要なのではないか」と自発的に考えて作れるようになりました。プロジェクトが進むにつれて、自分が作った資料がそのままミーティングで使用されるケースが増えていき、成長を実感しました。

それから、現場視察で見るべきポイントも変わりました。前職も物流系だったのである程度の知見はありましたが、システム開発に必要な情報を効率的に集める力がついたと思います。特に出荷時のバッチ処理は、お客さまによって色の違いがあり、システム要件にも直結する要素なので、注意して見たりヒアリングしたりしました。

成長していく中で感じた自身のバリューアップと課題

――その他のプロジェクトについてはいかがですか。

木下:その後は以下のような案件に参画しました。

  • 自動車メーカー様_保守パーツ物流拠点マテハン導入検討(約3か月)

  • 3PL企業様_倉庫自動化構想策定(約4か月)

  • アパレル企業様_WMS開発要件定義~導入支援(約18か月)

  • AIスタートアップ様_物流プロダクト導入(約2か月)

アパレル企業様の案件は長期にわたるプロジェクトで、拠点構造が複雑で要件定義やベンダーさんとの調整の難易度が高く、良い経験になったと感じています。3PL企業様向けの案件はシステム刷新のコンセプト策定と、自動化機器の選定支援の2つが同時に走っていて、初期の整理やご提案に関わりました。

そして現在は、SCMソリューション*ベンダー様向けのオファリングメニュー策定を一人で担当しています。

*SCM=Supply Chain Management

――いくつか候補がある中でそのプロジェクトに参画したのはなぜですか。

木下:私の知見が少ないシステムを保有しているお客さまだったので、物流系システムの知見がさらに深まると思ったのが背景です。自身のストロングポイントであるWMS関連の引き合いが多く、物流のシステムだけでなく、基幹システム系の話もいくつかいただいていたのですが、今後のキャリアを考えた上で、物流システムのナレッジの範囲を広げていける案件を選びました。

――どのような場面で手応えや難しさを感じますか。

木下:お客さまや他社の方と話す中で、物流とシステムの両方の知見を持っているコンサルタントは非常に少ないというのは以前から感じていましたが、それを改めて認識しました。そこは相対的に自分の強みになっていると思います。

一方で、お客さまが求めているものが5つあるとすると、3つは自分の経験でミートするものの、残り2つがミートしないということもあります。そういった部分は今後埋めていく必要があると感じています。

また、自分の経歴を短くポイントを絞って伝えることや、お客さまの実現したいことを聞いて正しく打ち返すところも難しさを感じています。当初は、お客さまのニーズや自分の課題をうまく整理できていなかったので、発言を繰り返してブラッシュアップしています。

――今回の案件は初めて一人で参画しているそうですが、これまでは複数人で入ることが多かったのですか。

木下:そうですね。今までは代表の園田と一緒にプロジェクトに入ることが多かったため、自分一人で案件をデリバリーして、お客さまに価値を感じていただくことが今後の課題だと感じていました。

メンバーとして園田の動きを見ているだけでも学びはあったのですが、やはり自分が矢面に立つことで得られるものの量は全然違うというのを改めて感じています。見るだけではなく、何事も経験してみないと分からないというのが大きな学びです。

イシューの特定や、そのイシューを解決するためのネクストアクションの提示にしても、これまでは園田が大まかな方向性を決めていましたが、「自分が一人でやるならどうするか」というイメージが足りていなかったと思います。ステークホルダー間の意向の調整を全て盛り込もうとするとキリがなくなってしまうので、何を含め、何を含めないかを調整してサジェストするのが難しいと感じています。

――その壁はどう乗り越えていますか。

木下:情報はお客さま側にあることが多いので、泥臭く時間をかけていろいろな方のところに伺って、膝を突き合わせて話します。その中で「この方法だったらいいかも」という、納得できる解の方向性をお客さまと一緒に出すことにトライしています。密なコミュニケーションをとって、それぞれの意見をきちんと出しきることが大切ですね。知見のある社内の人に相談することもあります。

―― 社内にはどのような相談体制があるのですか。

木下:1つは園田との相談の場です。ディスカッションや質問の場が定期的にあるだけでなく、Slackや電話で適宜相談できる体制もあり、タッチポイントは豊富ですね。それとは別に「ロジ定例」という会議体があり、そこで社内の他のメンバーと情報交換することもあります。

システムだけでなく人・組織の変革にも挑戦し、成長したい

――未経験での入社でしたが、2年半でどのような成長を感じていますか。

木下:最も実感しているのは、能動的に行動する回数が増えたということです。コンサルの役割は、お客さまのバリューに直結する判断を支援することだと思っています。情報を入手して整理し、解決方法を示してお客さまのアクションを引き出すというプロセスです。これまで参画させていただいたプロジェクトの中で、その一連の流れを何回も演習のように繰り返したことで、少しずつ身についている感覚があります。

――前職は営業職ということですが、コンサルとして活躍するようになってさらに能動的になったということでしょうか。

木下:そうですね。前職との違いは「選択肢」だと思っています。前職は提供するサービス(=選択肢)の種類がそこまで多いわけではなく、お客さまと話していればある程度、「このソリューションが当てはまりそうだな」と想定できる面がありました。

一方でコンサルは提供できる選択肢が圧倒的に多く、必然的に能動的にならざるを得ない場面があります。選択肢が広いからこそ、お客さまは今どういう状態か、そもそも何を目指しているのかなど、能動的に情報を集め、選択肢を狭めていく必要があります。

選択肢を絞るとなると、「本当にこの論点だけで十分か?」という網羅性の担保が必要になります。論点を出し切るために、能動的に動き回ることが必要ですね。

――将来的に挑戦したい領域はありますか。

木下:チェンジマネジメントにまた挑戦したいです。人の気持ちや思いを汲み取って支援するのは簡単なようで意外と難しいからこそ、できるようになれば自分の価値も上がると思います。特に物流業界であれば、それが社会課題の解決にもつながると思っています。

――最後に、特に未経験でRally Growthへの入社を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

木下:私もコンサル未経験から転職したので、当初は不安がありました。日々、目の前の課題に悩むこともありますが、それを一つずつ解決していけば、自身のストロングポイントも少しずつ大きくなっていくと感じています。一緒に頑張りましょう!

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